ページ番号1009222 更新日 令和4年12月16日
〜1950年代
働く人の6割が農業を中心とした自営業者。家で一緒に働いていた。
1960〜90年代
男性が家を離れて長時間働き、女性が家事・育児・介護をこなす分業が効率的とされた。
2000年代〜
男性だけでなく、女性も仕事をする家庭が増えたが、以前の分業意識は変わらず。
女性が仕事に加えて家のことを一身に担うこととなり、女性の負担が増えた。
これから
男だから…と家計責任(稼ぎ頭)を強いられない。
女だから…と家庭責任(家事・育児など)を一手に負わされない。
仕事・家庭の役割それぞれを、男女で分かち合う社会にしませんか?
今、豊岡では進学等で転出した若者が戻ってこないことによる人口減少が進んでいる。特に女性は男性の約半分しか戻ってこない。若者が戻ってこないのは、豊岡に暮らす価値を感じていないからではないだろうか。では、女性が男性よりもその価値を低く感じている原因は何か。市は、このまちに強く残る男女間の格差=「ジェンダーギャップ」だと考えている。
今の状況が続けば、男性の半数は結婚できず、必然的に生まれる子どもも減っていく。若者、特に女性に戻ってきてもらうため、男女間の格差が引き起こしている課題を四つに定め、その解消に動き出した。
10歳代の転出超過数に対して20歳代の転入超過数の占める割合を示す「若者回復率」は、男性 52.2%、女性 26.7%
[画像]広報紙画像 若者のコメント 「実家に帰ったら結婚を急かされそうで嫌」「育休を取得して働き続けられる職場が少ない」「管理職は男性ばかりで、見本になる女性の先輩がいないし、キャリアアップのイメージができない」「女性は結婚・出産で辞めてしまう。重要な案件は女性に任せない方がいいかな」「豊岡に戻っても、女性が活躍できる仕事がなさそう」(90.6KB)女性が女性であるというだけでその能力を発揮できないのは、社会的に大きな損失である。
[画像]広報紙画像 男女の会話 女性「この会議内容には夫よりも詳しいから、行ったら役に立てるかな」男性「地域の大事な会議なのに、なぜ女性が来るの?」女性「居場所も出番もないなら、地域の活動に行くのはやめよう」別の男性「女性は地域の行事に参加してくれない…」(62.8KB)「女性だから」と補助的な仕事しか任せないのは、経済的損失と言える。
[画像]広報紙画像 男女の会話 女性「育休から復職!育児と仕事を両立したいな」男性「育児が大変だろうから、補助的な仕事をしてもらおう!大事な出張などは男性に!」女性「お気遣いありがとう…」と答えるが、心の中では「働きがいがなくて楽しくない。辞めようかな」や「子育て中でも責任のある仕事をして、会社に貢献したいのに」と思っている(49.9KB)「育児は女性がするもの」という考えが残っており、男性が育児に参加できる環境も整っていない。
[画像]広報紙画像 男女の思い 女性「仕事は続けたいけど、夫の帰りは遅いし、育児との両立がつらい。女の私が辞めるしかないよね…」男性上司「男性には成長してもらいたいから、どんどんチャレンジして!」女性「義母から、子育ては女性がやって当たり前と言われた。私も働いてるのに〜」(43.6KB) 中田工芸株式会社代表取締役社長 中田修平さん
米国留学を経てアメリカの企業に就職した後、2007年中田工芸株式会社に入社。東京のショールーム「NAKATA HANGER」の立ち上げと運営に携わる。17年に3代目社長に就任
育児休業の取得と復帰のサポートという視点から、誰もが働きやすい会社作りに取り組んでいます。社員にその意気込みを表す意味も込めて、第2子の誕生後、私自身が1カ月間の育児休業を取得しました。
育休取得は迷惑と思われがちですが、事故や病気のような突発的なことではないので、業務を引き継いでおけば滞りなく仕事は回る上、会社にとってのメリットになると考えています。リーダーシップを発揮して社員にそのメリットの理解を促すことで、育休を取得しやすい会社作りに努めます。
社会福祉法人豊友会 テラスハウス保育園保育士 川見良美さん
5歳と3歳の娘の母。大阪で保育士、三田市で医療事務員として勤務し、2013年に結婚を機に豊岡に移住。専業主婦を経て、今年4月からプチ勤務で10年ぶりに保育士として復帰
2年前から仕事を探していましたが、子育てをしながら働きやすい条件の仕事が見つからず「働きたいけど働けない」状態でした。そんなとき、紹介してもらったプチ勤務の相談会で今の職場と出会い、1日4時間、週3日の勤務で保育士として復職できました。
プチ勤務という働き方を導入してくれた園と、急な休みや短時間勤務を理解してくれる同僚のおかげで、無理なく家事・育児との両立ができています。今後は子どもの成長に合わせて、日数や時間を増やして働き続けたいと思っています。
東海バネ工業株式会社 坂井健次さん幸代さんご夫婦
健次さんが尼崎から豊岡に転勤し、当時から働いていた幸代さんと出会う。幸代さんは会社初の産休・育休を取得し復帰、現在は9歳の娘と3人暮らし
出産を機に退職する選択肢は?
幸:働き続けたいと思っていましたが、産休・育休の前例がなかったので悩みました。上司に相談すると取得を後押ししてくれたので、1年育休を取り復帰することにしました。上司が「帰りを待ってるよ」と声を掛けてくれ「居場所があるんだ」と実感できたため、復帰もしやすかったです。
会社のサポートは?
幸:会社が社員の私生活の充実も真剣に考えてくれており、残業がほとんどありません。その上終業時間になると上司が「早く帰りな」と声を掛けてくれるおかげで、学童の迎えに問題なく行けています。学校行事などで仕事を休むときに同僚が理解を示してくれることもありがたいです。
2人ともフルタイムの生活、家事・育児の協力は?
幸:生活する中で、自然と手分けをするようになりました。私の帰りが遅くなった時には夫が食事の用意や洗濯物の取り込みなどをしてくれます。
健:家事は大変ですが、その時にできることをしています。互いに自分の時間を作るためにも、2人で効率よく家事をするのが一番です。
日高地区コミュニティ「きらめき日高」 会長 西村 勲さん
「きらめき日高」は2016年12月設立の日高地区を区域とするコミュニティ組織。集落数18区、人口7,637人、世帯数3,018世帯で、高齢化率は28.9%(19年4月1日)。19年度から西村さんが会長に就任
きらめき日高は、地区での共通の課題を解決するための組織で、誕生して3年目になります。
設立するに当たり、組織の在り方や規約などを検討する設立準備委員会を、2015年12月に立ち上げることになりました。当時、区の役員といえば男性中心。しかし、女性の公民館主事から「女性がいないと女性目線の相談ができない」との声があり、委員は20人中7人が女性でのスタートとなりました。そして、設立準備委員会を重ねる中で、会議に女性がいるのが当り前になってきました。
地域の課題を解決するには、男性だけでなく女性の意見も必要です。そのため、きらめき日高では、女性が声を出せる場を大切にしており、役員や事業の企画係員は共に約3割が女性です。 男女が話し合うことで、多様な問題を共有できますし、それを解決するアイデアも生まれます。17年から始めた「日高ふるさとまつり」には、全18区が屋台や作品展示、ステージ発表などで参加し、昨年は約1,600人の来場者でにぎわいました。
災害や福祉など、課題はありますが、男女で話し合える場を大切に、共に助け合える地域コミュニティでありたいと思います。
市内16の事業所が、2018年10月23日に「豊岡市ワークイノベーション推進会議」を設立しました。ジェンダーギャップ解消に関する取組みを、職場を切り口に進めています。会長の岡本慎二さんに話を伺いました。
[画像]岡本さん顔写真(11.2KB) ワークイノベーション推進会議 会長、株式会社東豊精工 代表取締役社長
岡本慎二さん
設立目的
この組織は(1)女性が働きたい仕事・職場への変革をより効果的に進めることによって、採用力を高め、人手不足を解消するとともに、多様な人材の活躍による生産性向上を図り、企業価値を高めること(2)これに取り組む市内事業所を増やすことで、若い女性等の採用増加を通じ、豊岡市の人口減少対策に貢献することーを目指しています。
取組事例
会員事業所の見学会や事例発表会を開催し、先進的な取組みを学び合っています。また、各事業所の経営者、人事担当者、管理職、女性従業員などが市主催のワークショップ、セミナーなどに参加し、事業所の変革などに取り組んでいます。さらに、いくつかの事業所は、従業員アンケートを実施し、自らの課題の洗い出しと解消策の検討を始めています。(7ページで紹介)
今後の展望
9月30日時点の参加事業所は21になりました。これらの事業所が市内の先行事例となり、さらに参加する事業所が増えれば、と思っています。
「全ての職員が能力を発揮し、市民の暮らしを支えている姿」を実現するために、ジェンダーギャップの解消に取り組んでいます。
本年度は、自律的なキャリア形成意識の醸成のための職員研修や、男性職員の積極的な家庭参画、組織風土の改善に向けた取組みを進めています。
注:男性職員の育児休業取得者数4人(10月末現在)
左上から
2006年、城崎で写真館を営む夫との結婚を機に移住。3人の娘を育てながら、家業の写真家だけでなく、多方面で活躍する井垣真紀さん。城崎での生活と、子どもたちの将来について聞きました。
一歩踏み出したら世界が広がった
移住してすぐの頃、町の会議などの集まりは男性ばかりで行われていました。しかし5年前、町のとある企画会議に「女性の意見を聞きたい」と呼んでいただいたことで、女性の私にも役割が生まれました。「地域に必要とされている」と感じて、とてもうれしかったです。
さらに町での活動をきっかけに、移住者の先輩として、市の移住ポータルサイト「飛んでるローカル豊岡」の市民ライターをさせていただいたり、市の基本構想策定委員会に入れていただいたり、移住前の仕事であったラジオのDJに復活できたり、一歩踏み出したことで活動の幅が一気に広がりました。豊岡は人口が少ないからこそ、一人一人に与えられるチャンスがたくさんあると思います。
多様性を受け入れる娘たち
城崎には、観光客や町で働く人、さらには城崎国際アートセンターに来る世界各国のアーティストなど、さまざまな人がいます。そんな町で育った娘たちにとって、いろいろな生き方があることも、一人一人に個性があることも当たり前。誰に対してもその人個人を見て接していて、こちらが驚かされるほどです。
これからも性別、年齢といった型にとらわれないまっすぐな目を持ったまま、人の役に立てる人になってほしいと思います。
高所得≠女性定住
夏でも涼しい長野県川上村は、日本有数の高原レタスの産地として知られ、一世帯当たりの平均所得は全国でもトップクラス。にもかかわらず、人口減少、女性流出が進み、男性農業後継者の未婚率は5割超。実際、住んでいる女性たちは、農村に強く残る「嫁の役割」意識と、農業と家事だけに追われる生活に息苦しさを感じていた。
立ち上がる女性
そこで、男性中心の社会を変えないといけない! と「女性が暮らしやすい村」を目指し、3年前に「川上スマートプロジェクト」がスタートした。その取組みの一つが、自分たちの特技を生かし、手作りグッズや食べ物などを持ち寄って販売する「川上ガールズコレクション」だ。他と違うことをすると悪目立ちするからと、家族に黙って準備をする女性もいた。それほど村の人に受け入れてもらえるかを心配されたが、当日は村の10分の1もの人が集まった。その中には内緒にしていた家族もおり、陰ながら「本当は家族が私を応援してくれていた」と知った。
変化する村
イベントを通して自己実現やつながりに幸せを感じた女性たちは「川上村で暮らしていて良かった」「ここで楽しく働きたい」と思うなど、村に対する意識が変わった。男性も「女性が元気に! が当たり前」「母親が生き生きと楽しそうに暮らしていないと、女の子は川上村に帰ってこない」と、変化の必要性を理解し、受け入れている。
村の文化や自然を守りつつ、未来の子どもたちのために、川上村は変わろうとしている。
職場…能力に見合った役割の付与、男女が育児等をできる環境づくり
家庭…男女が話し合って家事・育児を分担
地域…挑戦する人を応援、女性が発言できる場の創出
三つの相乗効果で、誰もが自由に生き方を選択できるまちを目指しましょう。
社会の変化に対応して、次の世代が暮らしやすいまちへ
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くらし創造部 多様性推進・ジェンダーギャップ対策課 ジェンダーギャップ対策係
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