豊岡市の超過課税導入の経緯について


ページ番号1023378  更新日 令和4年9月8日


 豊岡市では固定資産税・個人市民税所得割及び法人市民税均等割・法人税割について超過課税を行っています。
 超過課税につきましては、2005(平成17)年4月の市町合併前に旧豊岡市域のみに課していた都市計画税のあり方について、合併協議の際に「新市の都市計画マスタープランの見直し及び都市計画区域の見直しにあわせて検討する」とされていたため、2007(平成19)年9月から検討をスタートし、2008(平成20)年6月議会に関係条例を提案しました。
 議会で慎重な検討がなされ、2008(平成20)年9月議会で、一部修正の上、可決されました。
 超過課税に伴う税収は、都市計画税の代替財源として、超過課税相当額のほぼ全額を下水道事業会計への繰出金に充てています。

都市計画税の廃止と超過課税導入の経過

  1. 2008(平成20)年度末で都市計画税(旧豊岡市域の土地・家屋の課税標準額に0.3%課税。年間約5.7億円)は廃止
  2. その代替財源確保のため固定資産税・市民税の超過課税を実施するが、当局提案の超過課税総額(年間約5.5億円)を約1億円減額し、年間約4.5億円とする等の修正を行う
  3. 2009(平成21)年度から固定資産税・個人市民税所得割の超過課税(市全域に課税。年間約4.1億円)
  4. 2010(平成22)年度から法人市民税均等割・法人税割の超過課税(市全域に課税。年間約0.4億円)
[画像]税率改正に伴う税収の推移(36.7KB)

主な経過

年月 議会への説明・提案内容 市民への説明等
2007(平成19)年9月 定例議会で「都市計画税の市全域課税、他の市税の超過課税等様々な選択肢」を検討することを表明  
11月 議会全員協議会で「都市計画税の市全域課税または固定資産税の超過課税」を検討していることを説明 旧市町ごとの区長協議会で説明(11月6日〜12月4日)
12月 定例議会で、引き続き「都市計画税の市全域課税又は固定資産税の超過課税」を検討していることを説明 説明リーフレットを全世帯配布(12月10日)
2008(平成20)年2月 議会全員協議会で「都市計画税は廃止し、固定資産税の超過課税(+0.16%)」を検討していることを説明  
3月 定例議会で、引き続き「都市計画税は廃止し、固定資産税の超過課税(+0.16%)」を検討していることを説明 説明リーフレットを全世帯配布(3月10日)

4月

議会全員協議会で「都市計画税は廃止し、固定資産税と市民税の組合せによる複数の超過課税案」を検討していることを説明

  • 案1 固定資産税の超過税率:+0.16%のみ
  • 案2 固定資産税の超過税率:+0.1%
    • 個人市民税所得割の超過税率:+0.3%
    • 法人市民税均等割・法人税割:制限税率
  • 案3 固定資産税の超過税率:+0.135%
    • 個人市民税所得割の超過税率:+0.1%
    • 法人市民税均等割・法人税割:制限税率

旧市町ごとの区長協議会で説明(4月16日〜5月2日)

旧市町ごとに市民説明会を開催(4月22日〜5月15日)
6月

定例議会で「市税条例の一部改正案」を提案

  • 当局案 固定資産税の超過税率:+0.12%
    • 個人市民税所得割の超過税率:+0.15%
    • 法人市民税均等割・法人税割:制限税率
    • 都市計画税は廃止
    • 施行日:2009年4月1日
      • 超過課税総額:約5.5億円

 

所管の市民福祉委員会で継続審査

説明リーフレットを全世帯配布(6月10日)
7月〜8月
  • 市民福祉委員会の修正案
    • 個人市民税所得割の超過税率を+0.1%に修正
    • 法人市民税の施行日を2010年4月1日に修正
    • 固定資産税の超過税率を0.1%に修正
      • 超過課税総額:約4.5億円

 

  • 別に提案された2件の修正案
    • 案1 都市計画税廃止以外の改正部分は削除
    • 案2 個人市民税所得割の超過税率を+0.1%に修正
    • 法人市民税の施行日を2010年4月1日に修正
    • 固定資産税の超過税率を+0.07%に修正
      • 超過課税総額:約3.7億円
行革に関する説明リーフレットを全世帯配布(7月25日)
9月 定例議会で、市民福祉委員会の修正案を賛成多数で可決 修正可決された条例の説明リーフレットを全世帯配布(10月25日)

 

修正可決された内容

  1. 超過税率(その税率による税目ごとの加算総額試算)
    1. 固定資産税:+0.1%(355,319千円)←当局案+0.12%(426,383千円)
    2. 個人市民税所得割:+0.1%(57,031千円)←当局案+0.15%(85,547千円)
    3. 法人市民税均等割:現行が標準税率の法人に制限税率を適用(14,560千円)
    4. 法人市民税法人税割:現行が標準税率等の法人に制限税率を適用(28,006千円)
      • 法人市民税均等割・法人税割の超過税率は当局案のとおり
      • 都市計画税は廃止(当局案のとおり)
  2. 施行期日
    1. 都市計画税の廃止規定 :2009(平成21)年4月1日(当局案のとおり)
    2. 固定資産税・個人市民税所得割の改正規定:2009(平成21)年4月1日(当局案のとおり)
    3. 法人市民税均等割・法人税割の改正規定 :2010(平成22)年4月1日←当局案は2009(平成21)年4月1日

超過課税の状況

固定資産税

標準税率 1.4% → 豊岡市 1.5%(比較 0.1%の増)

個人市民税

標準税率 6.0% → 豊岡市 6.1%(比較 0.1%の増)

法人市民税

超過税率は、制限税率を適用

【法人税割】
 標準税率 6.0% → 豊岡市 8.4%(比較 2.4%の増)
 注:資本金1億円超の法人は2010(平成22)年4月1日以前から制限税率を適用

【均等割】

法人の区分

標準税率

(A)

豊岡市

(B)

比較

(B-A)

資本金等の額

従業員数

1千万円以下 50人以下

50,000円

60,000円

10,000円

1千万円以下 50人超

120,000円

144,000円

24,000円

1千万円超〜1億円 50人以下

130,000円

156,000円

26,000円

1千万円超〜1億円 50人超

150,000円

180,000円

30,000円

1億円超〜10億円 50人以下

160,000円

192,000円

32,000円

1億円超〜10億円 50人超

400,000円

480,000円

80,000円

10億円超〜50億円 50人以下

410,000円

492,000円

82,000円

10億円超〜50億円 50人超

1,750,000円

2,100,000円

350,000円

50億円超

50人以下

410,000円

492,000円

82,000円

50億円超 50人超

3,000,000円

3,600,000円

600,000円

上記以外の法人(人格のない社団等)

50,000円

60,000円

10,000円

注:「資本金等の額が1千万円超〜1億円超で従業員数50人超」以上の法人区分については、2010(平成22)年4月1日以前から制限税率を適用

税収の主な使い道

 税収の主な使途として2008(平成20)年当時、学校改修、生活道路排水路等整備、鳥獣被害防止対策、防火水槽・消火栓整備、交通安全施設整備、急傾斜地崩壊防止対策、治山事業、地区集会所整備補助、市道・橋りょう整備のほか、財政計画に盛り込んでいる社会基盤整備事業の財源とさせていただく旨を説明してきました。
 超過課税に伴う税収は、都市計画税の代替財源として、超過課税相当額のほぼ全額を下水道事業会計への繰出金に充てています。

超過課税導入に伴う質問と回答〔2008(平成20)年当時〕

 超過課税導入に至るまでの経緯を、市民の皆さんへ分かりやすく説明するため、2008(平成20)年に「質問と回答」形式にまとめてお伝えしています。
 注:以下、当時の原文のまま掲載

都市計画税は、なぜ廃止するのか。

 都市計画税は、道路や公園、下水道等の都市基盤を整備する事業の財源として、市民税等とは別に課することができる税のことです。合併時点では旧豊岡市のみが課税していました。

(1)合併協議での約束

 ひとまず合併時点での状況を新市に引き継ぎ、新市において検討することとされたため、今も旧豊岡市域のみに都市計画税を課しています。
 新市での検討は都市計画マスタープランの見直し及び都市計画区域の見直しにあわせて実施することとされていましたので、昨年から検討を始めました。

(2)都市計画税の使い道

 現在、都市計画税は主に旧豊岡市の下水道事業の借入金の返済に充てています。下水道事業(生活排水処理対策事業)には多額の費用が必要であり、旧豊岡市では長期の借入金の返済に必要な財源として都市計画税を手当てしてきましたが、他の5町では借入金に関する特別な税の手当ては行わず、事業を進めてきました。
 このような合併前の対応の違いは、それぞれの「自治」に基づくものであり、特に問題があるわけではありません。

(3)旧豊岡市域のみに課税することの問題点

 しかし、合併によって旧1市5町の下水道事業の借入金の返済には、同じ事業でありながら、旧豊岡市分には旧豊岡市域のみの特別な負担(都市計画税)を充て、旧5町分には旧豊岡市も含む新市全域の市民税、固定資産税等を充てるという事態が生じています。
 なお、仮に旧豊岡市が多くの都市計画事業を行い、とりわけ多くの借入金を新市に引き継いだとすれば、その返済財源として特別な負担もやむを得ないかもしれませんが、旧豊岡市のみが特に多くの借入金を新市に引き継いだわけではありません。1人当たりの借入金の残高ではむしろ少ないほうです。

(4)市民には同じルールを適用することが基本

 このような状況の中で、引き続き旧豊岡市域のみに特別な税負担を続けることは適当でなく、基本に戻って、都市計画税に関するルールを全市的に統一する必要があります。

(5)都市計画税の市全域課税は困難

 その統一の方法には、都市計画税の市全域課税の選択肢もありましたが、都市計画税の使途が限定されていること、都市計画区域の市全域への拡大が前提となること等の課題があり、これらを解決することは困難です。

(6)以上の検討を踏まえ、廃止が妥当と判断

 

なぜ代替財源として市税の超過課税が必要なのか。

 都市計画税(年間約5.7億円)を廃止すると、今後の社会基盤整備の財源に大幅な不足が生じ、まちづくりに多大な支障をきたすことになります。今後10年間の財政計画に盛り込んでいる社会基盤整備の事業規模を半減させなければならなくなります。
 また、合併後10年経過すると、合併特例による交付税の優遇措置が激減します。また元利返済の7割を国が補てんしてくれる有利な借金である合併特例債も使えなくなります。これらのことを考えると、必要な社会基盤整備を先送りすることも妥当ではありません。
 したがって、都市計画税廃止の代替財源として、市税の超過課税をお願いし、財政計画上の事業を着実に実施したいと考えたものです。

代替財源は、行政改革で確保すべきではないか。

 本市の歳入は、平成19年度の一般会計決算で、市税や使用料など市の自前の収入である自主財源の割合がわずか37%、逆に地方交付税や国県の補助金など他者に依存した財源の割合が63%という、大変虚弱な体質をしています。
 したがって、歳出面での徹底した行政改革(3頁上段のとおり)は当然に進めますが、歳入面での自主財源確保(今回の税率改正)も同時に行う必要があると考えています。

固定資産税と市民税の超過課税の組合せは負担感が大きい。なぜこの組合せなのか。

 超過課税で確保させていただく税収(財源)を使って幅広い社会基盤整備を進めることとしていますが、その受益はすべての市民の方に及ぶものと考えられます。
 したがって、超過課税をお願いする市税は、公平かつ広く薄くご負担いただく税目が適当であり、資産のある方、所得のある方、事業活動を行う法人など納税対象者が多い固定資産税と市民税の組合せが妥当と判断しました。

超過課税の税率は、どのように決めたのか。

 具体的な超過税率は、廃止する都市計画税の税収が約5.7億円ですので、平成21年度からも同程度の額が確保できる税率を検討した結果、当局案としては固定資産税0.12%(約4.3億円)、個人市民税所得割0.15%(約0.8億円)、法人市民税は制限税率に統一(約0.4億円)に決定し、合計約5.5億円を確保したいとの条例案を本年6月定例市議会に提案しました。
 議会では、様々な議論が交わされましたが、最終的に、都市計画税廃止の代替財源の必要性は理解するが、現下の市民生活・経営環境の厳しさにも配慮して、更なる行革の徹底で超過課税総額を抑制すべきだとの意見が多数となり、9月定例市議会まで継続審査のうえ、固定資産税0.1%(約3.5億円)、個人市民税所得割0.1%(約0.6億円)、法人市民税は制限税率に統一(約0.4億円)、合計約4.5億円、また法人市民税の適用年度を1年延長し平成22年度からとする、との内容で修正可決されたものです。


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