コウノトリ市民アンケートの結果(2020年)


ページ番号1017090  更新日 令和4年3月14日


放鳥から15年の市民意識調査

コウノトリ市民アンケートを実施しました

 2005年9月に豊岡市でコウノトリが最初に放鳥されてから16年が経過し、いまではコウノトリは豊岡以外の地でも繁殖し、野外での生息数は250羽を超えています。

 放鳥から15年が経過した2020年11月に「コウノトリの野生復帰に関する意識調査」と題して、市民の皆さんがコウノトリやコウノトリ野生復帰をどのように捉えているのかを調べることを目的とした、アンケート調査を実施しました。
 このアンケートは、大正大学社会共生学部の本田裕子准教授と連携し、放鳥直後から5年ごとに実施しており、今回が4回目となります。

 本田准教授は「野生生物保護を住民目線から考える」ことを研究テーマに、島根県雲南市(コウノトリ)や新潟県佐渡市(トキ)、長崎県対馬市(ツシマヤマネコ)などでも同様の調査を行っています。

 

アンケートの概要

対象

20歳から79歳までの豊岡市民

(2020年10月20日時点の住民基本台帳)

人数

1,000人(無作為抽出)

1,000通発送したうち、2通あて所なしで返送(有効アンケート数 998通)

回答数

610通

回収率

61.1%

 これまで4回実施した調査の中で、今回が最も高い回収率となりました。
 回答にご協力いただきありがとうございました。

アンケート結果の報告

 本田准教授による、今回のアンケート結果の集計・分析やこれまでの結果との比較から、市民の皆さんの意識や課題が見えてきました。

 以下に、その一部を紹介します。
 アンケート結果や考察の詳細は、本田准教授の論文をご覧ください。 

コウノトリやコウノトリ野生復帰について

コウノトリは地域のシンボル

 回答者にとってのコウノトリの位置づけに関する質問では「豊岡市の誇り・象徴・シンボル」(42.3%)、次いで「豊かな環境の象徴やバロメータ」(18.1%)が回答され、「豊岡市を象徴するもの」としては「かばん」(47.8%)に次いで「コウノトリ」(29.7%)が選ばれました。
 また、未来の豊岡市での「人とコウノトリの関係について」の回答(複数回答可)では「まちづくりの観点から『地域のシンボル』になっている」(52.8%)が最も多く、前回調査に引き続き、全体的にコウノトリを「地域のシンボル」とする考え方が継続していることが確認できました。

 近年、コウノトリの生息数が大幅に増加している中、コウノトリを害鳥視する回答は少数でした。さらに、回答者の9割以上が野外でコウノトリを目撃したことがあり、感想も好意的であることから市民の皆さんに広く受け入れられていることを再確認できました。

コウノトリ野生復帰の評価

 「野生復帰の賛否」については「おおいに賛成」と「どちらかといえば賛成」合わせて約8割(80.9%)の回答があり、賛成理由(複数選択可)として「環境にとっていいことだから」(51.8%)、「豊岡市の活性化になるから」(49.0%)が多く選ばれました。
 野生復帰に期待する内容(野生復帰に「期待する」と答えた64.2%の人が対象)でも「自然環境の復元」(53.0%)が最も多くなり、次点の「観光客の増加」(17.8%)と差が大きく、環境面での効果が期待されていることが分かりました。

 「コウノトリ野生復帰の評価」についても「おおいに評価する」と「少し評価する」合わせて約7割(70.9%)の回答がありました。
 評価の理由としては「コウノトリが増えた・身近になったから」という内容が最も多く、否定的な意見としては「事業の効果が不明だから」「費用・市の財政が心配/利益・経済効率が薄い」とする意見がありました。

市に期待すること

 豊岡市内に生息するコウノトリの責任主体を問う質問では「豊岡市(行政)」(31.2%)の回答が最も多く、野生の生物だから「誰も担わなくていい」(18.3%)という意見もあるものの、回答者にとってコウノトリ野生復帰に関する取組みは豊岡市が中心である認識が強いことが確認できました。

 また、豊岡市で今後も野生復帰を推進していく上での課題に関しては「住民の理解・協力」(34.0%)が最も多く回答されています。

 市内でコウノトリ野生復帰のための環境教育や啓発活動が「必要かどうか」の質問に対して「必要」(68.8%)とする回答が多い一方、「どの程度行われていると思うか」については「わからない」とする回答(35.6%)もあり、市民にコウノトリや野生復帰についての取組みや活動の状況が十分に伝わっていないことが考えられます。

 環境教育や啓発活動の推進方法としては「学校の授業の中での学習・体験活動」(32.1%)が最も多く選ばれ、「紙媒体の広報誌を通じた定期的な情報の発信」(17.5%)、「インターネットのサイトを通じた定期的な情報の発信」(15.4%)が続いており、豊岡市民向けの情報誌やネットを利用した配信を増やし、伝わりやすい内容にすることが期待されています。

市の今後など

 豊岡市の課題として12項目を挙げ、重要度を問う質問では「自然災害」や「人口減少」の対策が重要であると認識されている結果となりました。

 SDGs(持続可能な開発目標)の17の目標を示し、豊岡市で実現してほしい目標に関する質問に対しては「住み続けられるまちづくりを」が最も多く選ばれ、人口減少が続く中で重要視されていることが分かりました。なお、SDGsの認知は依然として低い(23.9%)という状況も明らかになりました。

最後に

 今回の調査結果から、コウノトリ野生復帰の取組みがコウノトリのみが得られる恩恵ではなく、豊岡市全体に得られる恩恵であることを継続して伝えていくことが今後の市政の努力課題であると思われます。

 この結果を踏まえ、コウノトリや野生復帰、そして生物多様性の保全に生かしていきます。


コウノトリ共生部 コウノトリ共生課 コウノトリ共生係
〒668-8666 豊岡市中央町2番4号
電話:0796-21-9017 ファクス:0796-24-7801


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